「最安89,000円から」の葬儀屋さんを利用してみた


先日、元気だった叔母が倒れ、救急で入院して数日で亡くなりました。叔母には子供がいないので甥や姪が付き添い、容態が急変したとき病院へ駆けつけることになりました。叔母は日頃から「周囲に迷惑をかけたくない、もしものときは直葬でいい」と話しており、「そういうわけにはいかないよ、おばちゃん」なんて笑っていたのですが、いざという時がこんな急にやってくるとは思いもよりませんでした。
直葬(ちょくそう・じきそう)とは、お通夜やお葬式をせず火葬すること。

叔母は高齢できょうだいや友人もほとんど先に亡くなっており、コロナ禍のご時世でお葬式をしてもお焼香に来る人がいそうにない、本人が望んでいたということで、思い切って直葬を選びました。実際は「直葬」というよりは「火葬式」といって、親戚で葬儀会場に集まり、斎場(火葬場)へ向かう前に顔をみて棺桶の中にお花を入れることもできました。費用は最終的には約23万円になりました。これは葬儀屋さんへの支払い分で、火葬費用はまた別です。詳細は後述。「最安89,000円」では、棺桶に仏具などの飾りもなく、一度も棺桶を開けて顔を見ることもできないリアルな直葬になってしまうのだと思います。

ここからは亡くなってから火葬式を終えるまでの備忘録です。

 

病院で亡くなると、まずは葬儀会場へ運ぶ「搬送」という作業が発生するので、葬儀屋さんに連絡して搬送車で迎えに来てもらう。葬儀屋さんは、
1.事前に決めている所、2.病院から紹介される所、3.自分たちですぐに探す
の3択。今回は叔母が事前に契約しているような所もないので、自分たちで探す。「最安89,000円から」を謳う葬儀屋さんで、簡単なお別れ会ができる火葬式プランがあり、標準料金約16万円を明示していたのでそこにお願いすることに決定。

申し込みをすると、近辺の空いている葬儀場を探してくれる。搬送車を待つ間、病院は死亡診断書を作成(これがないと搬送できない)、看護師さんは叔母をきれいに清拭してくれる。搬送車には付添人1人が同乗し、他の付添人は自家用車に乗って後続、葬儀場へ向かう。

病院も葬儀場も車で10分程度の所だったが、帰宅したのは亡くなってから約3時間後となった。翌朝出勤して忌引休暇を取得する手続きをして、午後から葬儀屋さんとの打ち合わせとなる。

(つづく)